広島高等裁判所 昭和26年(う)690号 判決
衣料品配給規則第二条によると「この省令で消費者とは……………小売業者とは衣料品を卸売業者から譲受けて消費者に譲渡すことを業とするもので第三条第一項乃至第三項の規定により登録を受けた者を云い卸売業者とは衣料品を生産業者から譲受けて小売業者に譲り渡すことを業とするもので第三条第一項乃至第三項の規定により登録をうけた者をいひ生産者とは…………」と規定せられており第三条第一項によると「衣料品の販売の業を行おうとする者は割当庁に申請して登録を受けなければ販売の業を行つてはならない」と規定せられているから第三条第一項の販売の業を行うとは衣料品を他より譲り受けこれを他に譲り渡すことを業として行うことを指すものといわねばならない。従つて衣料品を他に販売して利益を得る目的で継続的に他より衣料品を譲受けることも第三条第一項の販売の業を行うに該当すること勿論である。
原判決挙示の証拠によるときは譲受の期間が昭和二十四年五月十三日より同年十月二十一日までであつて相当長期間でありその譲受の衣料品の数量も三百四十二反八百二十七、六ヤールの多量に登つておること被告人は右譲受けの衣料品をその後現実に他に売渡していること等が認められるから被告人が衣料品を他に販売して利益を受ける目的で継続的に衣料品を譲受けた事実を認めるに十分である。従つて原判決が被告人の所為に対し衣料品配給規則第三条に違反するものとして処断したのは相当であつて所論の如き理由不備の違法はない。論旨は理由がない。